移植後、子供が欲しいと思っていらっしゃる方へのメッセージを頂けますか?
今野さん:
以前、移植コーディネーターの方に、「健常者と比べて、子供を持って大変な事は何かありますか?」と聞かれ、その時改めて考えたのですが、移植をしているから子育てが大変だということはあまり無いような気がしています。例えば、その子がよく泣く子であれば、健常者だったとしても育児は大変だと思いますしね。
子供を産む前は、「産んだら腎機能が悪くなってしまうのではないか」など、色々な不安がありましたが、実際産んでしまうと、色々な事がクリアになっていくことが分かりました。
もしトライしたいと思っているのであればこんな素敵なことはないので是非挑戦して欲しいと思います。
出産後、腎機能が悪くなるようなことはありませんでしたか?
今野さん:
出産直後はクレアチニンも出産前より高くなりましたし、色々な機能は産科の先生に言わせればぎりぎりだったと言われましたが、その後は腎機能も戻りました。
私の友達でも移植後、妊娠出産した方がいるのですが、その友達も「腎機能は出産後に戻るよ」と言ってくれていました。
原田先生:
今野さんは出産後、蛋白尿も出ていなかったと思いますし、血圧も高くなかったですね。かなり早いタイミングで腎機能も戻りましたね。
移植後の挑戦
今仕事はしていらっしゃるのですか?
今野さん:
今はまだ仕事は再開していません。私の母親が、まだ子供が小さいからと反対しているのですが、私自身は社会と繋がっていたいという気持ちがありますので、この子が幼稚園に入って様子を見て仕事を再開出来たらと思っています。
今、生活上で何か気を付けていることはありますか?
今野さん:
塩分を摂りすぎない事と、体重の管理には特に気を付けています。塩分に関しては、私が口うるさいので、家族にも煩がられています(笑)。
今は子育てに忙しい状況だと思われますが、移植後何か始められたことはありますか?
今野さん:
以前から好きだったのですが、子供が産まれてからは、写真を撮ることにはまっています。私はフィルムで撮影しているのですが、子供は動くので、撮影するのはとても難しいですね(笑)。
メッセージ
最後に移植をされた方や移植を検討している方へのメッセージを頂けますか?
今野さん:
移植後、もし子供を産める環境にあり、産みたいという気持ちがあるのであれば、挑戦してみてもいいのではないかと思います。
不安もあるとは思いますが、産まれてからの幸せがとても大きいですし、子供を通してたくさんの知らない世界を知ることが出来ると思います。
私もこの子が大きくなるまでは、頂いた腎臓を大事にして頑張りたいと思っています。
原田先生からもメッセージをお願いします。
原田先生:
まず皆さんにお伝えしたいのは、検診を受ける大切さですね。今野さんの場合、結果的には良かったのですが、もう少し早く病気に気付いていたら、色々と対応も出来たと思います。
また、今野さんのように移植をすれば出産のチャンスも増えますので、主治医の先生と相談して、是非挑戦して頂きたいと思っています。