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レシピエントインタビュー

奈良県立医科大学附属病院レシピエントインタビュー Vol.4

中西芳子さん × 奈良県立医科大学附属病院 吉田克法先生

たくさんの人への恩返し

移植後、新たに始めたことや、今後の夢はありますか。

中西さん
2012年に、長女の住むオーストラリアと、三女の住むイギリスへ、それぞれ10日間行きました。2013年には、以前暮らしていたスペインへ、友人を訪ねて約2週間行ってきました。「地中海へワインを飲みに行こう!」という感じで行ったのですよ。


移植後の充実した毎日


それは素敵ですね!

中西さん
60歳から始めたボランティア活動も、今年で12年になります。視覚障害の方のために、天理市の広報紙や、楽しい読み物などを、読んでカセットテープに吹き込む活動を、月4~5回、市役所で行っています。移植手術の際には、一年余りお休みをいただいたので、今は休まずに一生懸命お返しさせてもらっています。テープを聞いてくださっている方の中には、休んでいた時、私の声が聞こえてこないので、「中西さんはどうされたのですか?」と気にかけてくださった方や、退院後は声が低くなっていたので、私のことを心配してくださった方もいらっしゃったようです。そのようなお話をお聞きすると、「早く元気にならなければ」と思いましたね。

現在そのような活動ができるのも、 移植を受けたからこそですね。障がい者が障がい者を助けるというような、皆で助け合うという取り組みは、これからの社会にとても必要ですね。

中西さん
そうですね。だから私も、シャントをサポーターなどで隠さずに、あえて出したままにしているのです。あとは4月からはハーモニカ教室に通っていて、仲間と演奏会を開いたり、最近は福祉施設で慰問演奏などをしています。昨年の秋からはパソコン教室にも通っていて、新しい広がりを楽しんでいます。

パソコンも使えるのですね。

中西さん
海外旅行のホテルなどの予約は、全て私がインターネットで行ったのですよ。また、孫たちがイギリスとオーストラリアに居るので、インターネット電話サービスで話をしています。あとは、畑では夏野菜作り、家では花作りで毎日が充実しています。これからは、もっとゆっくりと、残された人生を楽しんでいきたいと思っています。

ご主人も奥様と同じようにいろいろとご活動をされているのですか。

ご主人
民生児童委員をやっています。 在任10年で、現在は、天理市の会長をしています。お世話になってきた地域社会に、恩返しをしたいと思っています。 また、朝は妻と二人で散歩をしています。
趣味はゴルフと囲碁で、毎日とても充実していますね。囲碁は3~4段くらいです。移植後も移植前の生活と何も変わりません。ゴルフのスコアも変わりませんしね(笑)。


中西さんご夫婦のご趣味


メッセージ

主治医への思いを教えてください。

中西さん
私は、10年日記をつけているのですが、4年前の日記を読み返してみました。日記には、術後の絶対安静期から退院まで、先生が毎日いろいろな治療をしてくださったと書いてありました。目の離せない大変な患者の1人だったと思います。吉田先生は、私の命の恩人です。ご指導を守って、1日でも長く腎臓を守り続け、ご恩に報いたいといつも思っています。

ご主人への思いを教えてください。

中西さん
ドナーが主人であるということで、精神的に本当に安心して日々を送ることができています。自分の体の管理も大事ですが、何よりも主人の1つの腎臓が傷まぬように、生活・食事などに気を付けていきたいと思います。

現在、移植手術を控えている、または移植手術を検討しているレシピエントや ドナーの方へメッセージをお願いします。

中西さん
透析期間の短かった私は、つらい時期から早く抜け出すことができ、幸せでした。もしご家族の方がドナーになっていただけるのであれば、医師から詳しく説明を受け、納得いくまで相談し、十分に理解した上で手術されることをお勧めします。
移植後は、透析中には時間に拘束されてできなかったことを、たくさんすることができます。海外旅行、趣味に打ち込むこと、社会奉仕…。私は今、5年前と全く違う日々を送っています。これからドナーとなられる方には、現在の主人を見せてあげたいくらいに、主人も以前と変わらない元気な生活をしています。


ご主人
まず、担当医から自分が納得するまで説明を良く聞き、十分に理解することが大切だと思います。多少の不安があるのは当たり前ですが、大きな不安を持ったまま手術をしないということが重要です。
個人差があると思うので、「絶対に大丈夫」とは言えませんが、私は手術前と体調は全く変わっていません。ただ、「腎臓が一つ」ということの認識はして、無理をしないことだけは、自分に言い聞かせるようにしています。


ご家族写真等


吉田先生からも、メッセージをお願いします。

吉田先生
腎移植というのは、ご高齢の夫婦間でも、非常に安全にできる治療で、中西さんご夫妻はその証だと思います。 適度な運動を行い、食事に気を付けるなど、術後の日々の管理も徹底されており、非常に素晴らしいと思います。また、ご夫婦ともにお元気で、社会奉仕活動なども一生懸命やっていらっしゃいます。 このような模範がありますので、移植をお考えの方で迷っていらっしゃる方は、ぜひ一歩前に踏み出し、相談に来ていただきたいと思います。


中西さんご夫妻と吉田先生と米田先生


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レシピエントインタビュー【夫婦間】