頼れる肥後もっこす

当時ご主人は、奥様の病状や腎移植について、どの程度ご存知でしたか。

ご主人

ご主人(ドナー)
妻の腎臓が悪いことは知っていましたし、更に悪化してしまった場合には、透析をするしかないのだろうと思っていました。腎移植についての知識は全くありませんでした。
妻は、上木原先生から腎移植の話を聞いて帰宅し、いきなり、「お父さん、腎臓ちょうだい」と言ってきました(笑)。実はその話があった1週間ほど前に、『ドナー登録をしませんか?』というテレビCMを見て、臓器提供に少し関心をもっていましたので、その時は二つ返事で、「自分のでよければいいよ」と答えました。

その後、腎移植に向けてどのように話が進んでいったのですか。

河津さん
2016年4月頃に、初めて熊本赤十字病院で診察を受けました。検査結果から、透析か腎移植を選択しなければならない状態だということで、熊本赤十字病院の腎移植の実績や成績、ドナーとレシピエントの血液型が違っても移植できることや、夫婦間の移植が増えていることなどをお聞きしました。

最初からご主人がドナーになるということで話は進んでいましたが、ご主人はドナーになることに不安はありませんでしたか。

ご主人
特に不安はありませんでした。他の人から腎臓を頂いて、もしもうまくいかないようなことがあったら、妻は生きている気がしないだろうと思いましたので、それであれば、夫である自分が提供するのが一番良いだろうと思いました。

娘さんは、腎移植の話を聞いてどう思いましたか。

娘さん

娘さん
診察には私も同席していましたが、私も医療関係者なので、先生のお話をお聞きした上で、自分でも移植について調べたり、自分の病院の先生に聞いたりしました。でも、最終的にこちらの病院で移植をした方が良いと思ったのは、先生方がとても信頼できると思ったからです。
母はまだ元気でしたので、透析導入になったとしても、しばらくは通院に支障はないと思いましたが、年を取れば通院するのも大変になりますし、母が透析で疲れてしまうと父の負担にもなるので、移植ができるのであればそれが一番良いと思いました。

ご家族の総意で移植に向けて進めていったのですね。

河津さん
そうですね。大変幸せなことに、主人は自分の腎臓を提供してくれると言ってくれました。もし移植の話が、まだ若く働き盛りで、子育て中のときにあったとしたら、「万が一主人が手術後働けなくなったら…」と、不安が多く踏み切れなかったかもしれません。70歳になり、第3の人生を夫婦2人で元気に過ごすためには、透析よりも移植の方が負担は少ないと考え、子ども達も含めて話し合い、手術を受けることを決めました。