健康のリレー

退院後の体調はいかがですか。

河津さん
退院後は特に問題はなく、これまで通りに元気に生活しています。

ご主人はいかがですか。

ご主人
私も特に問題はないのですが、血圧が高めなので、上木原先生に月1回、診察してもらっています。
普段の生活では、塩分を控えめにして、毎日2回血圧を測っています。

上木原先生
ご主人の血圧は今は十分コントロールできていますね。

河津さん

河津さん
主人は私以上に血圧に気を付けています。私が塩辛いものを食べていると怒ります(笑)。でも、私も移植手術が決まってから、料理をする際にはかなり薄味で作るようになったので、今ではヘルパーの仕事で食事を作ったりすると、利用者の方から、「もう少し味を濃くして」と言われるようになりました。たまに塩分量を測る器械を持っていき、私が作った料理の塩分を測って、「この味で慣れないとだめですよ」という話をしています。

上木原先生
病気を経験した河津さんから、健康が広がっていくというのはとても良いことですね。

移植後、ご主人に対して、何か特別なことをしていますか。

河津さん
特別なことはしていませんが、「毎日元気で過ごせているのは主人のおかげ」と、感謝の気持ちを持って暮らしています。娘からも、「お父さんに感謝しなさい」とよく言われるので、主人への反発(口ごたえ)を控えるようにしています(笑)。

ご主人
妻は、少しは柔らかくなったと思います(笑)。

移植をしてから一番うれしかったことはどのようなことですか。

河津さん
元気になり、子ども達に心配をかけなくてよくなったことです。仕事に復帰し、家族や主人と旅行ができるようになったこともうれしいですね。
仕事には手術後3カ月で復帰しました。利用者の方から、「あなたが元気になってくれて良かった」とうれしい言葉をいただきました。
また、今年は金婚式だったので、子ども達が旅行に連れて行ってくれたり、主人と沖縄旅行に行ったりしました。趣味の踊り(ひょっとこ踊り)もやっています。
これからも主人と一緒に1日でも長く元気で働き、楽しく生活していきたいです。

金婚式のお祝いの家族旅行と趣味の踊り
金婚式のお祝いの家族旅行/趣味の踊り
ご主人との沖縄旅行
ご主人との沖縄旅行

ご主人は腎提供後、うれしかったことはありますか。

ご主人
手術前の入念な検査で、自分に病気が見つからなかったことはよかったですね。自分が元気でドナーになることができ、妻も元気になってお互い仕事ができる事がうれしいです。

上木原先生
定年退職後のご夫婦間の移植にはとても意味があると思います。ご主人、または奥様を週3回透析病院へ送迎するのか、一緒に旅行に行ったりするのかでは、生活の質が全然違いますからね。

現在、熊本赤十字病院でも夫婦間移植は増えていますか。

豊田先生
増えています。日本の透析導入患者さんの平均年齢が69.4歳ですが、その年齢の方に、腎移植か透析か、という話をすれば、夫婦間の腎移植を選択される方は多いと思います。もちろん、高齢の方の場合は特に慎重に術前評価を行いますが、検査で問題がなければ移植は可能です。

上木原先生
当院でのドナーの最高齢は親子間移植の77歳の方でした。相当検討して腎移植を行いましたが、そのドナーの方も、見た目がとても元気で若く、身なりもきちんとされていたことを覚えています。