移植手術へ 母と一緒に明るく前向きに
移植手術を受ける前、お母様とはどのようなお話をされましたか?
松原さん:
具体的な話は特にしていませんが、私が「お母さんの事が心配」と言う度に「絶対大丈夫だから!」
「お母さんの腎臓が真愛(まい)の身体にある事が嬉しい」など、逆に母から強い励みになる言葉を沢山もらいました。
現在も「もしお母さんが死んでも、真愛(まい)の中で生きているもの」というように言ってくれています。母の大きな愛情があったからこそ、移植手術を受ける事が出来ました。
移植手術が決まってから、実際の手術までの期間はどのくらいでしたか?またその期間の生活で特に気をつけていたことはありますか?
松原さん:
移植手術までは約半年でした。血液透析をしていたので、食事・水分はもちろん、自分自身に負担があまりかからない様に気を付けて生活していました。
移植手術自体は怖くはなかったですか?
松原さん:
母が「一緒に頑張ろうね!」と言ってくれていたので、手術に対しての不安はあまりありませんでした。私は性格的にもとてもプラス思考なので「母も一緒だし、なんとかなるだろう」と思っていました。
母も「手術が終わったら、いいことが一杯待っているからね!」と言ってくれていました。
大変ポジティブなご家族ですね。
松原さん:
はい、父も含め、家族皆ポジティブ思考ですね。その時は移植手術の日が家族にとっての目標であり、希望の光でした。
家族で手術の日を楽しみにしていたという事ですね。先生、市立札幌病院での生体腎移植手術時の入院は手術何日前からですか?
原田先生:
レシピエントが1週間前、ドナーは3日前です。
松原さん:
母は入院してすぐに同じ病室の人と仲良くなっていました(笑)。いまだに連絡を取っている方もいらっしゃるようです。
深い愛情への心からの感謝
移植手術を終えた時の心境を教えて頂けますか?
松原さん:
とにかく母への感謝の気持ちで一杯でした。言葉では言い表せない程の気持ちです。
手術後すぐに、二人でお話はされましたか?
松原さん:
確か手術が終わった当日は、麻酔のせいなのか気持ちが悪かったのですが、翌日以降は病室で母と二人並んで「無事に終わって良かったね」という話をしていたと思います。
手術後の経過はどうでしたか?
松原さん:
退院の約1ヶ月後に足の浮腫みが取れず再度短期間入院となりましたが、それ以外はほぼ順調だったと思います。
原田先生:
リンパ浮腫でしたね。あまり無いケースですが、2週間くらいで浮腫みも取れたと思います。松原さんは拒絶も一回も無かったですね。
お母様も特に問題は無かったですか?
松原さん:
はい。現在もとても元気で、体力もあるようで、毎日動き回っています。
私よりも体力があるかもしれません(笑)。
移植後、お母様に対しては何か特別にイベント等を行ったりしているのですか?
松原さん:
「そういえば、今年の11月で○年目だったね」というような話はしていますが、特別なイベントなどはしていません。
それよりも、母とは頻繁に会い、食事や買い物に出かけたりしています。現在私が妊娠しているという事もあって、すぐに「西松屋※に子供服を買いに行こう!」と嬉しそうに言ってきます(笑)。
※子供服専門店
移植後、仕事はいつ頃から再開されたのですか?
松原さん:
保育士の仕事は、移植1年後に再開しました。大変理解がある職場で、本当にありがたかったです。