父から貰った大切な腎臓のために
移植後の日常生活では、移植腎の為に特にどの様な事に気を付けて生活をしていますか?
白水さん:
基本中の基本ですが、水分を摂り、トイレを我慢しないようにしています。また、うつ伏せにならないようにすることや、トイレはできる限り洋式を使う、大好きな生のお肉(今はほとんどありませんが)を食べないこと、牡蠣も生は食べないようにしています。
日常の服薬や、血圧、体重等の記録はどの様な方法で行っていますか?
白水さん:
お薬は曜日別に1週間分準備しています。体重や血圧など日々の体調管理の記録は、入院中の表をもとにエクセルで1年分作成し、保存してあります。
移植後、新たに始めた事や、今後の夢はありますか?
白水さん:
私も人の役に立ちたいと思い、九大病院で移植した患者さんの会「あかつき会」のスタッフとして活動をしています。また、難病と闘う子供達の夢をかなえるためのボランティア「メイク・ア・ウィッシュ」でもお手伝いをしています。
今後の夢は、夫と二人でバイク旅行をしたいと思っています。
先生、白水さんのような透析導入前に移植をする方は増えているのでしょうか?
北田先生:
現在は移植全体の3割~4割ですね。透析をしながら移植を待っている方もいらっしゃいますので、その方々の予定をずらすことなく、透析導入前の移植の方の手術も入れるようにしています。
移植医療へのそれぞれの想い
ご主人は、腎移植を間近で見られてどうでしたか?
ご主人:
ドナーが必要なことですので難しい面もあるとは思いますが、もっと一般的な治療になればいいなと感じています。
白水さん:
私は夫が情報をくれたので腎移植を知る事ができましたが、知らない人はたくさんいると思います。私が移植をすることを友達に話したら、「海外に行って手術をするの?」と言われました。内科の先生でも移植という選択肢があることを言ってくれる先生は少ないと思うので、もう少し情報が得やすくなるといいですよね。
お父様(ドナー):
私も移植について話をすることがもっと一般的になればいいなと思います。ドナーになることも安全だというのを分かってもらいたいですね。
北田先生:
透析、移植、という選択肢があるということを知るところまでたどり着いていない患者さんが大勢いらっしゃると思います。まずは移植という選択肢があるということ、そしてその現状を正しく知って欲しいですね。その上で移植をする、しないということを決めるのはご本人の決断ですからね。
最後に白水さんから、移植手術を控えている、または移植手術を検討している方へメッセージを頂けますか?
白水さん:
あかつき会(患者会)の新年会や学習会、病院の待合室、私が知っている移植後の皆さんは、どこで会ってもとっても明るく元気でニコニコしています。そして何よりドナーの方には本当に感謝しておられます。皆さんすごく幸せそうに「移植して良かった!」と。
私は高齢の父から腎臓をもらうのを申し訳ないと思っていましたが、術後3年が過ぎ、父が変わりなく元気にしている姿を見ると、私も頑張ろう!と思うようになりました。父がドナーになってくれたこと本当に感謝しています。ありがとう!
もし移植をするかどうか迷っている方がいらっしゃるのなら、 とにかく一度先生と会って話を聞いてみてください!