教えてドクター!

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腎移植者が日頃気になる素朴な疑問に、メディプレスの執筆・監修医が回答します。

帯状疱疹の薬の服用量について教えてください。

2015.06.19

帯状疱疹になり皮膚科から、「バルトレックス錠500」を処方されましたが、免疫抑制剤との兼ね合いを考え、通常1日3回、1回2錠のところ、1日1回、夕2錠で1週間分処方してもらいました。
痛みがなかなかひかない為、少し調べたところ、移植患者さんの中には、通常処方で使用されている方もおられるようですが、増量は可能なのでしょうか?現在のクレアチニン値は1.8台です。

メディプレス執筆・監修医からの回答

免疫機能が低下している方に、帯状疱疹が発症することはまれではありません。
帯状疱疹は既存の水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が神経節に潜み、その再活性化により支配神経領域に病変を形成します。
治療は、抗ウイルス薬でアシクロビル(商品名:ゾビラックス)、バラシクロビル(商品名:バルトレックス)、ファムシクロビル(商品名:ファムビル)となります。すべて内服薬がありますが、アシクロビルには軟膏、さらに点滴治療薬もあります。
これらウイルス薬(ほぼすべての抗ウイルス薬がそうですが)は腎臓から排出されるため、腎機能が低下している場合、適宜薬剤の減量が必要となります。
なぜならば、薬剤の蓄積により種々の副作用を来すことがあり、ときに重篤な神経障害を来す場合があるからです。反面投与量が少ないと効果が期待できません。
ご質問者様の年齢、性別によっても異なりますが、仮に、ご質問者様が50歳、男性と仮定すると、クレアチニン値から計算したeGFRは33ml/min/1.73㎡となりますので、バルトレックスの用法・用量としては、通常(クレアチニンクリアランス>50ml/min/1.73㎡)の場合、1回1000mgを1日3回 服用するところを、1回1000mgで1回、ないしは2回服用となります。そのため、腎機能の状態によっては、増量が可能とも言えますが、症状によっても必要度が異なります。
それよりも、少し免疫の回復が必要です。水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)感染は、重症化すると脳炎などを引き起こすこともあり、楽観視もできません。今の免疫抑制薬の服用量の見直しも必要なこともあります。そのため、抗ウイルス薬の投与量も含め、移植の主治医に相談するようにしてください。

※『教えてドクター!』はご質問者様から頂いた情報から、あくまで一般論としての回答をさせていただいております。実際の診断や治療については、医師の指示に従ってください。

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