子どもと遊べる幸せ
生体腎移植後、妹さんに対しては何か特別にイベント等は行っていますか。
野村さん:
特にイベント等はしていませんが、まめに連絡はしています。妹も子どもが2人いるので、お互いの家を行ったり来たりしています。
仁衣那ちゃん(娘さん):
よく、いとこと一緒に遊んでいます。いとこは、上の子が3年生で下の子が1年生です。1年生の子はまだ小さいので、本当にかわいいです。
妹さんのご家族と、家族ぐるみで仲良くされているのですね。2回目の移植をしてから一番良かったこと、うれしかったことはどのようなことですか。
野村さん:
2回目の移植をする前、クレアチニン値が上がり始めてからは、歩くこともつらく、子どもの相手をしてあげられなかったのですが、移植をしてからは、一緒に遊ぶことができるようになって、とてもうれしかったです。
吉田先生:
野村さんは貧血もありましたし、尿毒症が普通の人よりもきつかったかもしれないですね。病院へ来ると、毎回ヘロヘロでしたから。
野村さん:
「娘には、私の『しんどい、しんどい』という言葉しか聞こえていないのではないか」と思うぐらいに、当時はずっと「しんどい」ばかり言っていたと思います。そのような状態でしたので、一緒に外で遊んであげることが、ほとんどできませんでした。子どもと遊べないというのは、本当につらかったですね。
吉田先生:
今はお母さんと遊んでいるの?
仁衣那ちゃん:
私がバレーボール部に入っているので、母と一緒にやったりもします。
野村さん:
あとは、娘と一緒にアイドルグループのライブに行ったりもしますね。娘も私も大好きなのです。明日も行くのですよ。
また、主人がなかなか休みを取れないので、家族全員で旅行をするのは難しいのですが、最近は娘と2人で旅行をすることもあります。
仁衣那ちゃん:
夏休みに、ディズニーランドにも行きました!
大切な腎臓のために
移植後の日常生活では、移植腎のために、特にどのようなことに気を付けて生活をしていますか。
野村さん:
無理をしないようにしています。あと、夜の9時過ぎくらいには、家族みんなで寝るようにしています。朝は6時に起きるので、毎日9時間は寝ています。やはり、ごく自然に健康的な生活ができるというのは、すごいことだと感じています。
病院では、睡眠についての指導もされているのですか。
吉田先生:
そうですね、睡眠については、「十分に取ること」を、全ての患者さんにお話ししています。
1回目の移植と2回目の移植では、移植後に気を付けることに違いはありますか。
吉田先生:
1回目の移植腎が駄目になった理由によって、違います。例えば、1回目に駄目になってしまった理由が、暴飲暴食を続けていたことや、体重を増やしすぎたこと、薬を飲み忘れていたことなどであった場合は、「2回目では絶対に繰り返してほしくない」というお話をさせていただきます。
やはり、2回目の移植後の患者さんは、1回目の方よりも、移植後の自己管理に関して徹底していらっしゃいますか。
吉田先生:
そうですね、慎重にされている方が多いと思います。
野村さん:
1回目と2回目では全然違いますね。1回目の時は、移植後に自由にできた分、結構無理もしましたね。若かったということもありますが、徹夜で遊んだりもしていました。でも今は夜9時には寝るようにしていますので、就寝時間が0時を過ぎることはありません。本当に意識が変わりました。
日常の服薬や、血圧、体重等の記録はどのような方法で行っていますか。
野村さん:
朝夕1日分の薬をケースに入れています。また、毎日朝夕、体重を量っています。
今後の夢はありますか。
野村さん:
今は、子どもの成長が一番楽しみです。