“食”を取り戻して

移植をしてから一番良かった事、うれしかった事はどのようなことですか。

実優ちゃんとお母様

お母様
移植前は、透析と経管栄養で、嘔吐やむくみ、倦怠感などが続き、娘にとってつらい毎日でした。また、看護する私も、感染予防に神経を使いながら、腹膜透析に使用する物品の管理と毎日の準備や後片付け、3時間ごとの投薬、経管栄養の物品管理、一日の摂取カロリーの管理と、とても忙しく過ごしていました。また、トータルケアは小児科、胃ろうの管理は小児外科、皮膚のトラブル(乾燥や発疹、下痢や胃液によるただれ、肉芽など)は皮膚科と、いつも複数の科を受診して、週1回の通院も朝から1日かかりました。
自宅療養の許可がおりた後も、よく緊急入院をしていたので、自宅で過ごした期間よりも入院生活のほうが長いことが続いていました。移植後体調が安定することにより、長期間に渡るこのような極度の生活制限と病院に費やした時間から解放されていった喜びが本当に大きかったです。
また、娘は産まれてから普通には暮らせなかったので、月齢に合った生活が出来るようになった時は最高にうれしかったです。食事は、「今は食欲がないだけで腎臓の機能が改善したら、必ず口で食べられるようになる」と言われていましたが、移植後も2年ほどは食事が出来ない状態で不安でした。しかし、一緒に料理をして食に興味を持たせ、自分で咀嚼し飲み込んだときは本当に感激しました。

日常の服薬はどのような方法で行っていますか。

お母様
出来るだけ一包化してもらい、1週間分をセットするお薬カレンダーを使っています。最近は本人が曜日を確認して1人で飲めるようになったので、私が見守り、飲み終えた空袋を確認して捨てています。カプセルを飲むのは得意なので、苦いお薬は空カプセルに入れて飲ませています。
ただ、自分で薬を持ってきて袋を開けて飲む事はできるのですが、後で床に薬の粒が落ちていることもあるので、注意しなくてはと思っています。

最近はどのように生活されていますか。

お母様
通学も慣れて、どんな天気でも歩いて行っています。学校の授業も制限はなく体育も楽しんでいます。平日は放課後デイサービスも利用して1日スケジュールびっしりで過ごしています。初めは疲れやすく体力もなく様子を見ながらでしたが、最近は体力も付きしっかり過ごせるようになりました。今年からスキー授業を受けるようになり、とても楽しんでいます。休日にも雪山でそりやスキーの練習をしています。


小学生になりました。スキーもやっています。