MediPress編集部コラム【腎移植後のお金シリーズ】では、腎移植後の生活の中で、移植者のみなさんが現実的に向き合うお金の問題について、わかりやすく解説をしていきます。
第3回目の今回は、「身体障害者手帳により受けられるサービス」のうち、税金の控除や交通機関の料金割引などについて取り上げます。腎移植をした方は、身体障害者1級の手帳を所持することができますので、受けられるサービスを知り有効活用しましょう。

※以下の文章内に含まれる情報は、2015年4月時点のものです。随時変更される可能性がありますので、最新情報は、各団体の担当窓口までご確認ください。
※以下の文章は、対象を腎臓機能障害を持つ身体障害者の方に絞って記載しております。予めご了承ください。

~腎移植後のお金シリーズ~
第1回 医療費助成制度と障害年金
第2回 小児のための医療費助成制度
第3回 身体障害者手帳により受けられるサービス①(税金、交通機関)
第4回 身体障害者手帳により受けられるサービス②(公共料金、公共施設)
第5回 腎移植後の民間の医療保険
第6回 腎移植後の民間の生命保険

税金の控除等

各種税金が、控除の対象となります。それぞれの方の状況によって、控除の内容が異なりますので、ご自身のケースをご確認ください。

■国税(代表例)
国税

※1:特別障害者とは⇒身体障害者手帳の障害の程度が、1級又は2級と記載されている方
※2:特定障害者とは⇒①特別障害者及び②障害者のうち精神に障害のある方

<参考>国税庁ホームページ

□問合先:所轄の税務署窓口


■地方税(代表例)

・個人住民税の非課税
・住民税の障害者控除
・自動車税・軽自動車税・自動車取得税の減免 等

□問合先:お住まいの市区町村担当窓口

■交通機関の運賃割引等

電車

交通機関においては、障害者本人や介助者の運賃・長距離運賃などが割引になる制度が多数あります。各社サービスが異なりますので、お出かけの際は事前に調べて、上手に活用しましょう。

■JRの乗車運賃割引
JR

※腎臓の機能障害による身体障害者手帳保持者は、第1種障害者に該当

<参考>
JR東日本ホームページ
JRおでかけネットホームページ

□問合先:JR窓口


■その他の鉄道会社(公営・私鉄等)の乗車運賃の割引

ほとんどの鉄道会社に割引制度がありますので、各社窓口にお問い合わせください。
第1種身体障害者とその介護者が一緒に利用する場合、50%割引というようなサービスが多いようです。

□問合先:各鉄道会社の窓口

東武鉄道の例

※腎臓の機能障害による身体障害者手帳保持者は、第1種障害者に該当

<参考>東武鉄道ホームページ


■タクシー料金の割引

タクシー

乗車時に身体障害者手帳を提示することで、タクシー料金の10%が割引されることが多いようです。

□問合先:各タクシー会社の窓口

<参考>福祉タクシー利用券
お住まいの自治体によっては、「福祉タクシー利用券」を発行し助成を行っているところもあります。発行される年間のチケット枚数や金額、月間の使用限度枚数などは、自治体によって異なります。

□問合先:お住まいの市区町村担当窓口

品川区の例

<参考>品川区ホームページ


■バス料金の割引

バス

ほとんどのバス会社に割引制度がありますので、各社窓口にお問い合わせください。
乗車時に身体障害者手帳を提示することで、手帳をお持ちの第1種身体障害者とその介護者1名につき、普通乗車券が50%割引・定期乗車券30%割引でご利用いただけるケースが多いようです。

□問合先:各バス会社の窓口

都営バスの例

<参考>東京都交通局ホームページ


■航空運賃の割引

飛行機

国内航空各社が設定している、国内定期路線の割引価格を利用することができます。
なお、出発日より前にチケットを購入することによる割引価格(JALの「早割」など)が、各社で複数種類販売されており、そちらの方が安価であることも多いので、旅程が早めに決まっている場合には、そちらも合わせて確認し、比較購入することをお勧めします。
また、最近増えてきた格安航空会社(LCC、ローコストキャリア)では、割引価格の設定がないところもあるので、事前に確認しましょう。

□問合先:各航空会社の窓口

ANAの例

<参考>全日空ホームページ


■有料道路通行料の割引

料金所

NEXCO(ネクスコ)等が運営する有料道路では、「身体障害者の方が自ら運転する」または「重度の身体障害者※1の方が同乗し、障害者ご本人以外の方が運転する場合」に、事前に登録された自動車1台(営業車を除く)に対して、50%以下の割引があります。
料金所で手帳を見せて割引を受けるケース・登録済ETC※2の利用料金引き落とし時に割引を受けるケースの2種類がありますので、ご自身の希望する方で、事前に市町村福祉事務所などにて登録手続きをしてください。
※1:腎臓の機能障害による身体障害者手帳保持者は、重度の身体障害者に該当
※2:有料道路を利用する際に料金所で停止することなく通過できるノンストップ自動料金収受システム

<参考>NEXCO東日本ホームページ

□問合先:お住まいの市区町村の福祉担当窓口


■駐車禁止除外制度の適用

身体障害者手帳(腎臓機能障害の場合は、1級または3級)を保持している方は、「駐車禁止等除外標章(身体障害者用)」の提示をすることで、標識などにより駐車が禁止された場所などの駐車禁止規制の対象から除外されます(=駐車が可能になります)。
標章を入手するには、所轄の警察署への申請が必要です。

□問合先:所轄の警察署窓口